LEAFIA Life
リーフィアな暮らし

気持ちいい!アウトドアランチ

※2017年5月1日発行「リーフィアな暮らし」vol.22より転載

新緑が まぶ しい初夏、外遊びのシーズン到来です。
アウトドアで家族や仲間でいただく
ごはんの美味しさは格別なもの。
アウトドア大好きの料理研究家、
山戸 やまと ユカさんにアウトドアランチの魅力と
身体に優しいアウトドア料理を
教えていただきながら
“美味しい時間”を楽しみましょう。

「いいところですね。やっぱりアウトドアって気持ちいいー」クルマから降りた山戸ユカさんの第一声です。
ここは丹沢大山国定公園内にあるキャンプ場。スギやヒノキの森に囲まれ、野鳥のさえずりを聞きながら、澄んだ空気に抱かれ、今が盛りとミツマタの黄花が鮮やかに咲き誇ります。
「さあ、ここにしましょう。楽しみましょうね」キャンプ場を一通り見渡した山戸さんが声をかけ、大自然の中に素敵なキッチンとリビングが仕上がっていきます。傍らでご主人の 浩介 こうすけ さんが日除けのタープを張り、手際よく焚き火の準備にかかります。

アウトドアクッキングのハードルは高くない

やがて、キッチンの準備も整い、いよいよ山戸さんのアウトドアクッキングの始まりです。が、揃えられた道具を見ると、キャンプ用のコンロや、焚き火にかけられたダッチオーブンなどもありますが、普段使いのものも。
「皆さん、アウトドアというと専用の道具を揃えて……と考えがちですが、まずはお宅にあるもので十分。コンロはカセット式のものでも良いですし、食器は普段使いのもののほうがおしゃれなものが多いのでお料理も引き立ちます。アウトドアクッキングのハードルはさほど高くないんですよ」と、山戸さんが笑顔で応えてくださいました。
楽しい雰囲気の中、アウトドアランチづくりは続きます。流行りのスキレットを使ったグリル。ダッチオーブンでつくる温かい煮込み料理。少しビックリですが、天ぷら(フリッター)。そして、焚き火を囲みながらのお菓子づくりまで。どれも美味しく、自然に包まれて囲むランチは最高です。食後に浩介さんが豆を挽き、美味しいコーヒを淹れてくださいました。

アウトドアランチとは健やかに生きること

「私にはアウトドアランチ大好き! の遺伝子が組み込まれているようです」と山戸さん。
「子どもの頃『キャンプに行くよー』とクルマに乗せられ、早朝目覚めたら浜辺のテントの中、父が釣った魚を母がさばいていました。その時のかわはぎの煮付けの美味しかったこと! そして母の姿がとても素敵に見えました」
山戸家のお父様は山男で、旅行といえばキャンプ、その食を担当するのはお母様でした。お母様は普段の食事でも味や素材にこだわり「いつも鰹節を削って出汁をとって」いたそうです。
こうした、ご両親から受け継がれた自然への興味と食への関心が山戸さんを料理家への道へと導きます。雑誌・書籍でレシピを提案。共通の趣味、アウトドアで知り合った女性4人からなるユニット「noyama」として、女性目線のアウトドアスタイルを提案し活躍していきます。
そんな折、お父様が他界。闘病中食欲が落ちていく姿を見て、山戸さんは改めて食の大切さを見つめ直します。この想いが指針となり、2013年八ヶ岳の山麓にご主人とレストラン「DILL eat, life.」を開業。雄大な自然の中で、“身体に優しく美味しい”料理を提供し続けています。

自然とつながる、人がつながる

「アウトドアって、遠くの海や山まで出かけなくていいんです。ベランダやお庭、公園は素敵なアウトドアランチスポット。草花があり、風が吹き、青い空が広がっています。自然を感じられる気持ちのよい場所で、のんびりとランチを楽しめば、日常から解放され、心も癒されて『幸せだなー』と思える。身体にも力がみなぎってきます。少し焦がしてしまったお料理も、何故かものすごく美味しく感じられる。これって自然のチカラです」。山戸さんは続けます。「外ごはん(山戸さんはこう呼びます)には、人と自然だけではなく、人と人をつなげるチカラもあると思うんです。人って自然の中に入ると“素”になるというか素直になれて、一緒に外ごはんをするとより距離が近くなってつながれる感じがします。私が、一番の理解者である主人や、noyamaの仲間とつながれたのも、外ごはんのおかげなのかもしれません」

“いただきます”と“ごちそうさま”

山戸さんにアウトドアランチのポイントを教えていただきました。
「いきなりデイキャンプで始めるのは、準備や片付けなど少したいへんになってしまうかもしれません。最初はガーデンランチやピクニックがおすすめです。但し、コンビニで買ったものなどで済ますのではなく、食器や食材など、何かにこだわってほしいですね。そして、季節は良くても外は冷え込むことも。ですから、温かいものを用意することも大切です。最後に、自然からたくさんのご褒美“いただきます”をしたのですから、ゴミなどは持ち帰り来た時よりもキレイに “ごちそうさま”をしてください」
さあ、皆さんもご家族やお友達と美味しい時間を過ごしてみてはいかがですか。

自然を感じながら、
アウトドア料理をつくろう。

焚き火をおこし、スキレットやダッチオーブンを使った野性味あふれる料理を楽しむ。
それは、まさにアウトドアの醍醐味です。じっくり火をいれた食材は旨味もたっぷり。
緑あふれる自然を感じながら、家族や仲間とシェアして食べれば、気持ちもひとつになれそうです。

タープを張ってダイニングをつくる

タープを使って日陰をつくれば、居心地のいい空間がつくれます。紫外線や万一の雨や風にも強い味方に。特にウイングタープは、風抜けや雨水の調整がしやすく、デザインも美しいのでおすすめです。

料理がしやすいキッチンをつくる

ガスコンロ(ツーバーナー)、まな板、調味料などを折りたたみのテーブルに並べたらアウトドアキッチンのできあがりです。排水や野菜くずなどをストックできるバケツを下に用意すると便利です。

焚き火に魅せられて

子どもの頃、キャンプファイアーにときめいた思い出はありませんか。日が暮れ、パチパチと弾ける炎が蛍のように美しいと思う。静かな火を眺め、心穏やかになる。大人になって感じ方は変わったかもしれませんが、焚き火は不思議と人を魅了するものです。キャンプ好きにとって、焚き火は料理とともにメインイベントのひとつなのです。

スキレットで手軽に本格グリル料理を

スキレットは鋳鉄製のフライパン。熱をゆっくり伝えるのでやわらかく加熱でき、旨味を凝縮できるのが特長。焚き火や炭で調理するには最適。ダッチオーブンより軽く扱いやすいので女性に人気です。

ランチを持って公園に行こう。

風や緑が気持ちいい季節。朝起きてお出かけ気分になったら、お子さんが
大好きなお弁当やサンドイッチをつくって、一緒に近くの公園に行きませんか。
お茶する感じで、仲間を誘うのもいいですね!木陰やベンチにシートを広げて、
ワイワイ食べたら、それだけで幸せな気分になれそうです。

お気に入りの場所にシートを広げよう

木陰や芝生の上などお気に入りの場所にシートを広げれば、さあ公園ランチの始まりです。土の湿気や冷気を抑えてくれるサバイバルシート(アルミ素材などが裏に貼ってあるシート)を下に敷き、その上に普段使っているラグや毛布などを敷けば、まったり落ち着けるスペースのできあがりです。

仲間と食材を持ち寄ってオープンサンドを

パンやハム、チーズ、サラダなど、家にあるものを持って行くのがフットワークを軽くするポイント。仲間と持ち寄れば、食材のバラエティもいっぱい。お気に入りの具をはさんで、マイ・サンドイッチを!

バスケットにとりあえず放り込んでしまう

食材やお皿、カップ、水筒など、ぱっと無造作に放り込めるバスケットやトートバッグが重宝します。お気に入りのシートやブランケットを雑貨屋さんで探すのも楽しいですね。

庭やバルコニーで
ランチをしよう。

あなたの家の庭やバルコニーで、ご家族と一緒にランチはいかがですか。
いつものようにキッチンでつくったお料理をそのまま屋外へ。
これもアウトドアランチです!ちょっと気分が変わって、楽しい会話もはずみそうです。

季節にあわせてお料理を

気温や体調にあわせて身体に優しいお料理を。春先には、炊いたり煮たりした温めものを鍋ごと持ち出すのがおすすめ。初夏は、冷製パスタや素麺なども気持ち良さそうですね。

折りたたみ式のテーブル&チェアを

納戸などに収納でき、簡単に設えられるテーブル&チェアが便利です。クロスはお気に入りの布を敷き、ランチョンマットと合わせるとお洒落でしょう。

山戸ユカの外ごはん
ワンポイント・レッスン

美味しく、楽しく、心地いい。
山戸さんらしい、“外ごはん”を楽しむためのこだわりアイデアを教えていただきました。
アウトドアランチがもっと素敵になりそうです。

火にかけたら、後はのんびりダッチオーブン

ダッチオーブンは鋳物の鍋で、焚き火でも温度が均等にじっくり伝わるので、野菜や肉の旨みを良く引き出します。炊いたり煮たりする料理は、いちど火にかけたら、しばらくそのままで大丈夫なので手間いらず。できあがるまで、のんびりと楽しみましょう。

子どもも大喜び
アウトドアデザートの王様「スモア」

スモアの語源はsome more(もう少し欲しい)だとか。北米ではキャンプファイアーの人気デザートです。①マシュマロを枝や串に刺して火にかざし、薄っすらと焦げ目がつく位焼くと、中はトロトロに。②クラッカーやビスケットに板チョコと焼いたマシュマロを挟みます。③マシュマロの熱でチョコが溶けて、食べるとやわらかい口当たりに。まったりとした甘さでキッズにも大人気。ぜひ親子で楽しんでください。

旬の野菜をフリッターでいただく至福を

地元で穫れた旬の野菜を手に入れ、フリッターにして揚げたてをいただく。まさに至福のランチです。卓上コンロに鍋を載せ、串に刺した野菜を仲間とワイワイ揚げる。盛り上がること間違いなしです。カセットコンロやシングルバーナーが便利です。

お気に入りの雑貨をアウトドアで

木の皿、ホーローやステンレスの食器、丈夫なグラスなど、普段の生活でも活躍しているお気に入りの雑貨をアウトドアでも使うのがとても心地いいのです。紙の食器では味気ないものですし、ゴミも増えてしまいますから。

挽きたてのコーヒーで寛ぎを

湧き水で挽きたてのコーヒーを淹れる。なんとも贅沢な一杯に癒されます。コーヒーミルは、携帯用のものを用意。サーバーには、保温性のあるステンレスポットがおすすめです。

下水設備が整っていないキャンプ場もあるので

洗剤が使えなかったり、下水設備が整わないキャンプ場もあるので、食器はペーパータオルなどで拭いて汚れを落として持ち帰り、家でしっかり洗うのがおすすめです。調理などで使った排水はバケツに溜めておき、炊事場で流すと環境にも優しいでしょう。後片付けを簡単にすれば、美味しいランチの余韻が楽しめます。

Profile

山戸 やまと ユカ Yuka YAMATO
料理研究家
1976年東京生まれ。“身体に優しく美味しい”をテーマに、料理教室や雑誌・書籍などで活躍。キャンプや登山経験を活かしたアウトドア料理も数多く手がける。女性4人で結成したアウトドアユニット「noyama」(のやま)の一員としても活動し、その著作には『外あそび&外ごはんをはじめよう』(文藝春秋)など。2013年に八ヶ岳山麓に移住し、夫とレストラン「DILL eat, life.」(ディル・イート・ライフ)を営む。自身の近著に『DILL EAT, LIFE. COOKING CLASS』(グラフィック社)がある。

「DILL eat, life.」
【住所】山梨県北杜市長坂町大井ヶ森984-6
【TEL】0551-45-7512
【URL】http://dilleatlife.com/